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文藝散道*お知らせブログ

SNS発・創作サークルが文学フリマに出展します!

三題小説2

三題:山道 依存 豚

シモソネ作 (2ver.)あります。

山道を抜けたその先に目的の居酒屋は建っていた。席に着いた私に店主が品書きを渡す。
醜い火傷の跡を隠そうともしない気さくな笑顔。『オススメメニュー 豚足!』の文字に、はらわたが煮えくり返る思いがした。
今でも後悔している、私に依存しきった子供たちに自立を促したことを。
今でも忘れられない、粗末な小屋の残骸を目にした時の絶望を。
こんなことで私の罪は消えないけれど、待っててね、愛しい息子たち。外道の皮を被った私はコートのポケットにそっと手を差し入れた。


山道を抜けた先にその居酒屋はひっそりと建っている。店主の狼は顔の古傷を摩りながら取材に応じてくれた。
――人気のメニューは豚足だとお伺いしました。
「おうよ。アレを初めて食ったのはあいつ等を襲った時だ。小賢しく小屋に立てこもったあの三匹の兄弟さ。ケガの功名ってヤツかねぇ」
――よく無事でしたね。
「まぁな。暖炉の窯にはビビったが、熱湯くらいで死んでたまるかよ」
よく言う。命乞いに応じてしまった三男の、あの子の良心に依存して生きながらえたくせに。
でも、今日でこいつの命も終わる。待っててね、愛しい息子達。外道の皮を被った私は懐にそっと手を差し入れた。



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もうエリ作

今日も電話のベルが鳴らないことに、私は不満たらたらだ。
恋人が潜水艦勤務になってしまったことに問題がある。
元から一年の内半分以上は海の上にいる人だったけど、そこから更に連絡を取ろうにも取れない日が増えることになった。
彼と話せない日が続き、私はそれが重大なストレスだということを思い知った。

猪突猛進なところのある私をよく知っている人は、「結婚までいってないのに別れてないなんて不思議」と言う。
その度に私は、彼の同僚の奥様が結婚について口にした、
「山道を登って登って、頂上についたと思ったらまた次の頂きが見える。この職に就いている人の妻になるということは、そんな終わりのない登山のようなものもの」
という話を思い出す。
そんな耐え忍ぶような人生はゴメンだったし、積極的に結婚を選ぶ気は起きなかった。

かといって、じゃあ別れようともならないのだから不思議だ。
私はただ、あの無愛想で無口な男が、必死に言葉を紡いで私に日々のことを伝えようとする、あの時間を欲していた。
もしかしたらそれは依存かもしれない。
恋に夢中な周りの見えない子供ではあるまいしと笑ってしまうが、でもそれだけの価値があるのだ。
離れてる時間が愛を育てるとか、そんな歌が昔あった。

やがてベルがなった。
すぐに電話に出てそうになるのをぐっと堪える。
待ってたことを悟られたくない。
けれど心中は喜びで一杯だった。
不思議なことに待つのも悪いものじゃないなんて思えてしまう。
猪は飼い慣らされて豚になってしまったのかもしれない。
私は平静を装って通話ボタンを押す。
もし彼が結婚しようと言ってきたら、どうしよう。
今なら頷いてしまうかもしれない。
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『こんな私に僕がした』の表紙ができるまでの物書き陣の無責任な物言いとそれにも応えてみせたなっつさんの矜持的な何かを思い起こしながら

ご無沙汰してます、もうエリです。
今回は第二回文学フリマ福岡で頒布した『こんな私に僕がした』の表紙に関してこう所感的な何かをば残します。
一応件の表紙をペタリ。
CvQgMTSUkAANW-V.jpg
良い表紙だと思います。そして同時になっつさんは苦労したのではないかな、と思っている表紙です。
手前の男性の表情が見えないことが逆に何か色々と想像させます。
表紙で買ってくださった人もいたのはとてもありがたい反面、いつも物書き陣としては文章で買わせることができていないことに歯がゆさも感じます。

さて、まずテーマは明確に『女装』でした。
必然的に女性的な何かを描くことにはなっていたと思いますが、今回はわりかし僕とシモソネさんからこういうのがいいみたいなリクエストがありまして、たとえば「男性が女物の下着をつけている姿はどうか」とかそんな感じです。
表紙はなっつさんにずっとお願いしていますが、「こういう感じで」というおぼろげなイメージでリクエストを挙げることは間々あります。
お仕事等々忙しい中で今回も依頼を受けていただき、更には僕らのリクエストも汲んだ上できちんとした物を上げてくださるなっつさんにはありがたいの一言では足りないくらい感謝してます。

それでなぜ今回こんなものを書いてるかと言いますと、冒頭の苦労されたのではないか、という部分に反省があるからです。
特に今回は途中である程度案が固まってきた際に、鏡を挟んで手前と奥で色合いに差をつけてはどうかというものが出てきたんですが、やっぱりこれは口で言うは易しいけどとても難しいリクエストだなと。
僕ら物書き陣は適当に頭に浮かんだイメージを口にしているだけで、構図的にいけるかどうかさえも実際なっつさんが描き起こしてくださらないと判断がつかない程度のぼんくらです。
そんなぼんくらどもの口からこぼれ出たものを具体的に形にする――しかも僕らの希望に沿う形で――というのは中々に難しい作業です。
だからこそ毎回それに応えてくださるなっつさんは現人神か、というのは大げさですが、大変なことをしてくださってるなと……。
「手前の男性側を寒色で、鏡の中の女性側を暖色で男女差をより出しては……」みたいなことも言ってたわけですが、あしゅら男爵がキカイダーみたいな色合いになってしまっては気持ち悪いだけですし、やっぱり塩梅が難しかったろうと思います。
そんな中で、こういう風に明暗で上手く差を出してくださったなっつさんの腕とセンスには感服しきりなわけですが、しかし同時になっつさんにもっとおまかせしてたらより素敵なものになっていたのでは? みたいな気持ちが芽生えてきてしまったわけです。

というのも、なっつさんの表紙で僕が気に入っているのはカニバリズムの時のものと桜の時のもので二強を誇ってるのですが、どちらもなっつさんから案を出してもらったんですね。
やはり人から言われた限定的な構図というかイメージというかから絵を起こすより、絵描きさん自身から出てきたモノで描いた方がいいものが出来るのではなかろうか、みたいな、そういうセンス自体が絵描きさんの方がいいものを持っているのではないか、みたいなことを思いました。
もちろん一切希望を伝えないのはそれはそれで可能性が無限大過ぎて辛いかもしれないので、こうぼんやりとイメージはしやすくそれでいて縛られない程度のリクエストを出せるようになりたいなあと。
今回の絵はとても僕ら物書き陣の希望が叶えられているわけですが、同時に、見ていてそういうことを思わずにはいられない不自由さみたいなものが、こうあったのではないかと……。
というわけで次回もしなっつさんにお時間があればもっと好きに描いていただきたい所存です。

後はまあ印刷ですか……せっかくの絵がうちの印刷機では色ムラすら出てしまう有様なので、お金があればきちんと印刷お願いすべきなのでしょうね……。
というところはお金がないのでごまかしつつ、ざっくりとして所感でしたがここで終えたいと思います。
読んでくださってありがとうございました。

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レポートおぶ第二回福岡文学フリマ【シモソネ編】

ドーモ、ミナ=サン。文藝散道の初代変態MEGANE兼切り込み隊長シモソネです。
年一で更新される激レアブログがサークルの知名度を上げると信じて!(舐めてる) 今回も先日開催された第二回文学フリマ福岡のレポを書いてきまーす。

***********

◇A.M 5:30 起床
 前日、馴染みのバーでハロウィンイベントという大義名分のもと女装させられた悪夢冷めやらぬ中ベットからテイクオフ。ん? 証拠写真はよ? そんなものウチには無いよ。最寄りの駅で一年越しでも相変わらずダミ声のままの顔なじみ駅員さんと少しお喋り。軽い近況報告と世間話で特急到着までの時間潰し。お互い転勤の多い職場、来年も彼に会えるだろうかと少しだけしんみりした。

◇A.M 9:45 音速特急で博多に到着→地下鉄で会場近くの天神に移動。
 毎回思う、「何故、路線図を確認して地下鉄に乗ろうとしないのか」と。二線しかないのに迷うとか、もう方向音痴ってレベルじゃねーぞ! 恥ずかしさのあまり、博多に着いたら連絡すると伝えていたもうエリさんへのTELをすっかり忘れる。


◇A.M 10:00前後 会場前でもうエりさんと合流&ブース設営開始。
 都久志会館前で一年ぶりに再会。とは言ってもSkypeでしょっちゅう会話している所為か久々に会った気がしない。「マンネリは愛の墓場という古人の格言もありますよね☆」などと戯言を口にしようとしたが、連絡を忘れていたブタ野郎を鬼軍曹のれいとうこうせんが襲う! こうかはばつぐんだ! 毎度毎度自分の評価を下げるネタには事欠かないなぁ。
 売り場設営に関しては、このブログの一つ前、もうエリさんのレポを参照してくれ! 写真もあるから見易くてオススメだぞ! それからああいう会場での椅子は有料だ、どっかのアホみたいに「隅っこにいっぱい余ってるから勝手に借りればいいんじゃね?」なんてのはもっての外、どうしても我慢できない人は空気椅子で乗り切ろう♪。……いや、マジでホントすいませんでした、事務局の方々。


◇A.M 11:00 戦闘開始
 もうエリさんが出るまでもありませんよ、ここは俺にお任せを。と、三下臭が半端ないスタンスで初っ端の売り子を申し出て、お客様を待ち構える。決して駅からの徒歩と設営で疲れたから取り敢えず座りたかったワケではありませんとも、ええ決して。
 表紙絵担当女神なっつさんのイラストが最高に美麗&キャッチ―だったのが幸いしたのか、今回のテーマが『女装』という参加サークル中でも一、二を争う異質さ(当社比)だったのも加えて、客足は好調だった。後はブースのポジが良かったことも要因かもしれない。
 個人的に今回一番ビックリしたのは開始早々訪れて頂いたお客様。↓

(*^_^*):「面白そうですねー表紙も文章も素敵!」
(*’▽’):「ありがとうございます!」(お、反応いいぞ!)
(*^_^*):「じゃあ四冊下さい♪」
(;゚Д゚):「……え? ええぇぇぇぇ!?」(ナカミオナジダヨ!?)
(*^_^*):「あ、やっぱり五冊で♪」
(;゚Д゚):「ほへぇ!?」(いや、四冊で不満って驚きじゃないのよ?)
(*^_^*):「あと売り場の写真、撮っても良いですか?」
(;゚_゚):「は、はぁ……ど、どうぞ」←驚きで思考停止。
(*^_^*):「それじゃ、本持ってこっち向いてくださーい♪」〈パシャ!
(;゚Д゚):「い、いえーい?」(って俺ごとかい!)←もうなすがまま

 ※再現VRは証言者の記憶頼みの為、一部脚色が混じっている場合があります、ご了承下さい。まぁ僕のリアクションと心の声は原文ママだがな!

 翌々考えると肖像権(?)だの最近のネットの怖さとかもあるし、自分の写真までOKしたのは軽率だったかなぁと反省しましたが、とても礼儀正しくて気持ちのいい方だったのでモラルに反する様なことはしないだろうと、信じることにしました。(ガクブル
 あと「動画見て来ました」って人がいてこちらもびっくり。なっつさんに楽しんでもらうための内輪企画だったのに予想外の宣伝効果があったみたい。「二十分の一の確率なら馬鹿にできないですよねー」との、もうエリさんの言葉に思わず頷いてしまった。
 

◇P.M 1:30 戦闘終了
 好調な販売ペースを維持しつつ昼過ぎる事には完売というサークル始まって以来の最短記録(多分ね)を叩きだす。終了時間まで2時間半を残しての出来事に内心ビビりながらも、取り敢えずもうエリさんと喜びのハイタッチ。上の方にも書いたけど、やっぱり表紙のインパクトに相当助けてもらっていたのは間違いない。ブースに来てくれた人たちと一番盛り上がった話は表紙の話だったし、改めてなっつさんは偉大だと再認識。自分なりに、Twitterを導入したり、チラシ配りでアピールしたりしたけど、やっぱり第一印象は大切だもんね。内容は、テーマも目立つし、苦しんだなりに今作れる最高のものを生み出したつもりだけど、それが受け入れられるかは別問題だ。今後のリアクションは完全に読者様と自分達の感性が一致しているかという部分に賭けるしかない。言葉を期待するのは贅沢ってもんなので、せめてページを閉じた後「ふぅん、面白かったじゃん」位の余韻が皆様の心に残ればいいな、と思う。
 撤収前、早々と引き上げる我々に事務局の方々が成果を尋ねられ、精一杯のドヤ顔で「完売です」〈キリッ と、捨て台詞を残してしまったことが今回一番の黒歴史なのは秘密☆。

◇A.M 3:30 宿泊施設にチェックイン&打ち上げ開始
 スタバで糖分補給した後は、取り敢えず僕の荷物を預ける為に予約したホテルに向かう。天神の特殊な磁気に惑わされて方角を見失うお上りさんは、シックスセンス(土地勘)を発動させたもうエリさんに導かれてなんとか目的地に到着。「さぁ呑むぜ!」と周囲の探索してみたが、日曜日の昼下がりに開いてる居酒屋探すなんて無謀の極みだと早々に思い知る。散々歩き回って奇跡的に営業中の店舗を見つけて滑り込むと打ち上げ開始。以下は議事録を一部抜粋。

シモソネ(以下はシ):「俺らスラダンで言ったら誰っすかねー」
もうエリ(以下はも):「うーん誰だろ……」
シ:「もうエリさんは魚住っぽいすよね!」
も:「え!? えぇ……?」(困惑)
し:「『お前が泥だ』みたいな?……あ、違ったw『鮃』じゃんwww」
も:「たwだwのw悪w口w」

いやー楽しかった! 次回はマジでおねショタなんすかね? もうエリさん。

◇翌日、午前に帰宅
 珍しく二日酔いも無く、日の出を待ってチェックアウト。週明けの親不孝通りは最高にカオスでした。
 お土産屋さんって朝七時くらいから開けてくれないかなぁ……。(無茶ぶり)

◇今回の戦利品たち
 ※『』は作品名、《》はサークル様のお名前。

○ 『遊園地とクレイン第六号 花嫁』《梅に鶯》様
○『うたたね~動物となごみアンソロジー~』『愛惜』《月明り太陽館》様
○『嘘つきコルニクス』《大阪文庫》様
○『地獄の沙汰も遺書次第』《思ってたより動くメロンパン》様



誤字とかは多分無い、と思います……間違ってたらごめんなさい。
 
前回同様、どんだけ時間がかかっても、連絡先の分かるサークル様には感想をお送りしようと思ってます。気長にお待ちください<(_ _)>。

ではでは、また来年!ノシ

category: 福岡文学フリマ

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レポートおぶ第二回福岡文学フリマ

ほとんど更新されないブログが更新される時、それは文学フリマがあった時――。
第二回福岡文学フリマもトドコオリナクオワリマシタネー(棒読み
出店側だった方も一般側だった方もお疲れ様でした。
会場に関しては前回と同じだったので特に言及することはないんですが、
(詩歌の方は当日になってブース位置の調整とかあったらしい)
まあ、ちょっと暑かったくらいですか。
僕が暑がりなのもあるとは思いますが、暑かったはずです。だって空調の風が涼しかったもん!
もう10月末なのになあ。さすがだぜ福岡。天気はぼちぼちでしたけどね。

今回は、すみません、持っていった本が結構早めに出て行ってしまったので、色んな情報に欠けてます。
だから滞りなく終わったのかどうかすら推測です、すみません。
カタログははけたのかなー。来場者数は何人だったのかなー。これから情報集めます。

僕らがいた時までの情報になりますけど、今回も雰囲気良い感じでした。
お昼少し客足が引いた時間がありましたけど、すぐに戻りましたしね。
あとすごい個人的な話だけど、うちらの席が島の途切れ目というか、出入りしやすいところで最高だったんだコレが……
Cv-sX_sUkAEK_h-.jpg
こんな感じでね、隣の方も静かで(ウチらはうるさくて迷惑をおかけしてしまったかもしれないが)とても良かった。

さて、出店側の話ですが、今回は既刊は持っていかず、新刊だけ持って行きました。
結果21部完売、しかもお昼過ぎくらいに、だったので、「さすがに気分が高揚します」
お買い上げくださった方には感謝です。ありがとうございます。
第一回のれぽ記事を参照すると、前回は新刊12部しか持って行ってなかったんだな……。
まあそれだけ売れるというイメージがもうなかったのだろうということだ(悲しみ
けれど今回はすごく反応良かったですね。
主に表紙絵と、テーマが『女装』ということで買ってもらったのだろうと推測してます。
ただ楽しく女装する人の話ではなく、女装って難しいって話でもなく……
そういう方向性の違いが、買ってくださった方の期待を裏切るものじゃなければいいなあと祈るしかない……。
後お一人で複数冊買ってくださった方もいたらしく、そう考えると実質売れた冊数としては前回と同じくらいですね。
まあとにかく早く売れたので早めに撤収することになり、睡眠不足気味の僕に優しい展開でした。
しかしやっぱり最後まで売り切れるかどうかという瀬戸際を味わいたくもあるので、持っていく冊数はホント難しいですね。。

次に購入する側としてですが、今回は買いたい本は大体買えました。
動き出しが遅いのはいつものことだけれど、前回の感触から多めに持ってきたところが多かったのか? どうなのか?
CwEGTH4VYAARiMh.jpg
以上が買ったものですね、写真下手ですみませぬ。
左からLittle CurlyさんとこのInnocent Forest第一集、前回#05を読んで安定感がありそうだったので。
次に聖柳枝投網修道騎士会さんとこのダークエルフのぐだぐだ飯、流行りジャンルだと思うので気になりました。
次に厭人機関さんとこの畸想ふぁむふぁたる、kudanの瞳を試し読みして良さ気だったので。
右2つは思ってたより動くメロンパンさんとこの短編集、前回買えなかったのもあって。
とりあえずメロンパンさんとこの感想は書くが、他は分からない。
メロンパンさんはわざわざ挨拶に来てくれて申し訳無さが半端なかったのをここに記しておこう。
ホントもう全てを水に流してけれどメロンパンは流さずやっていきましょう(?)
しかし買う側としては、僕は新規サークル開拓は無理だね! アンテナがもう低いので!

えー、最後に打ち上げはなんか天神の昼間からやってる焼き鳥屋で飲みました。
シモソネさんの感想と、ご友人の話は面白かった。
両方ともまあそう思われるだろうなーというところで。
「なっつさんが仕事忙しくなったらサークル名『変態MEGANE』に変えてやりますか……」
みたいなコトを言いつつ、次回の構想、とも言えないふわふわした話をしてふらふら解散になりましたね。
ちなみに次回はおねショタで行きますか、とか言ってました。よんななさんも来やすいだろうし(チラッ

というところで、第二回のれぽを終えたいと思います。
第三回もきっとあるだろう、その時はまたよろしくお願いします。

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三題小説

三題小説:風車、老人、枕

シモソネ作

「風車の花言葉知ってる?」
ぼんやりとした暖色の明かりの中、膝枕の柔らかさを堪能する俺の耳に彼女の声が響く。
「いや、聞いたことがないな」
床の間の花瓶で揺れる薄青がまどろみの中で揺れる。
「呆れた、意味も知らずにこんな花を買ったの?」
「君を見ているようだったからね、それだけだよ」
「……今度調べてみるといいわ」
見上げる先で何故か膨れた顔をしながら彼女は眼を逸らす。
黒髪から覗く赤みが触れたくなる程愛おしかった。
女を買うような老人には過ぎた言葉だと知ったのは、彼女の余生を貰い受けた後の話だ。

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もうエリ作

隔離された村がある。豊かでも人に溢れていたわけでもないが、風車が名物の風光明媚なところだった。
この村を奇病が襲ったのは数年前のことだ。
老化が異常な速度で進む病気は、住人の半数に感染し、更にその数を増そうとしていた。
まだ症状の出ていなかった僕は、感染してしまった母になけなしのお金を持たされ、急いで村の外に出された。
「二度とここには近寄っちゃいけないよ」
母の言葉がまだ耳にこびりついている。

あれから僕は偉い先生に保護され、研究のお手伝いをしてきた。
村には研究機関が入り、住人の保護をしているらしいが、老人になってしまった住人は、もうかなりの数が亡くなってしまったと聞いた。
その中に母の名前はまだなかった。
そして今日、やっと母との約束を破ることができる。

村から出る時に使った線路は廃線になってしまっていた。線路の枕木をゆっくりと踏んで僕は歩く。
村に着くとその寂れ具合に目を疑った。
誰も使わなくなってしまった風車が悲しそうに軋んだ音を上げている。
実家に戻り、年老いた老婆の手を取る。
「ただいま」
皺の奥に隠れてしまった目が僕を見て涙をたたえた。
瞳に映っている年老いた男。
「お帰りなさい」
母の声を耳に僕は目を閉じた。

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