酔いどれラジオの無言癖は連作短編集とのこと。
同じサークルの前作である『狂わされた図書館』を前回買い逃したという経緯があり、新刊は買うつもりだった。
文学フリマwikiに載っていた新作情報も興味を惹くものだった。
まず見た目に関して。
表紙は一面のショッキングピンクによく見ると淡いピンクで女性の絵が描いてある。
目を惹くけれど、ちょっと内容は想像し難い。
ちなみ現地ではあがってしまって気付かなかったけれど、売っていたポストカードの絵柄はとても好きだった。
途中に入っている挿絵も雰囲気があっていい。
内部は文字のフォントが大きすぎるのが玉に瑕というところだけど、色々とデザインが凝っているのは面白い。
内容についてだけど、もっと読みたかったという一言に尽きる。
最初に「ん? どういう話なんだろうこれは?」と思い、段々状況が掴めて興が乗ってきたあたりで終わってしまった感がある。
登場人物はキャラがはっきりしていて、個人的に好事家の人が好きだ。とてもヘタレで人間臭くて良い。
時折深いことを言うラジ子は、物理的に弱いけれど、ちゃんとミステリアスな魅力がある。
こういう女性に振り回される話は嫌いじゃないし、一定の需要がありそうに思う。
話が進んで、二人の周囲で起こることから段々と関係性が見えてくるあたりは読んでいて素直に楽しい。酒屋さん、プラネタリウムの辺り。
この二つはすごく好きな雰囲気でこういう感じで話を展開させるのはいいなあと思った。
だからこそさっくり終わってしまったのがもったいない。
唯一『私』だけがあまりはっきりとはせず、終わりを読んでもちょっとピンとこなかったのは残念だ。
全然続きとかここに至るまでの話とか書けそうなので、こっそり期待してみる。
以上拙いですが感想でした。
失礼があるかもしれませんがご容赦していただけるとありがたいです。
書いてる人が若くて直視できなかったのはここだけの話……。
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